「なっ!なんでよ!」







「だって、まだ話終わってないよね?」







ムッと唇を絞る観奈に、彼方はニッコリと笑う。







「お、終わってないって…これ以上何を話すのよ!?そーれーに!私にはやっぱりメールを送った覚えはないんだから〜…」








観奈がまた言い訳のようにそう言い始めると、彼方が大きく口を開けた。








「禁酒。」







「う…。」








その短い『禁酒』という魔法の言葉に、観奈はゴクリと息を飲み込むと言葉を失った。








すると、彼方が観奈の肩に手をポンッと乗せた。








「それが嫌だったら、ちゃんと僕の言うことを聞くことだね。」








彼方はそのまま、少し体制を低くして観奈の耳元でささやいた。








「…う、うう。」








「あはは。今日は寝かさないからね。……説教で、だけど。」








「ひぃっ!」








笑った彼方のうっすらと開く怒り篭った瞳が、さらに観奈の体をプルプルと震えさせた。