「あれ?遠山君?」



後ろから俺の名前が呼ばれた。
今日はよく呼ばれる日だなと思い、俺は振り返る。



その瞬間、俺は目を見開いて驚いた。



そこには、亜麻色の髪の男子生徒…あの彼方がいたのだ。



なぜ彼がここに?Σ(゜д゜;)



動揺してその場に立ち尽くしていると、彼方が嬉しそうに俺の方駆け寄ってきた。



「編入生の遠山君だよね?」



彼方にそう尋ねられて、俺は突然のあまり声が出ず、ただ頷く事しか出来なかった。



「後ろ姿だったから不安だったけど良かった。合ってて。」



「え、えっと…。」



やばい。どうしよう( ̄▽ ̄;)



今日、風間たちから彼方が頭脳明晰、容姿端麗な学校のアイドル的存在だと聞かされたばかりで、俺は変に緊張してしまっていた。



「あ、ごめん。僕はまだ遠山君に自己紹介してなかったね。」



俺が動揺しているのに対して、彼方は社交的でそれどころかどんどん話し掛けてくる。



「僕は、菅谷彼方。君の隣の部屋に住んでるんだ。」



彼方がニッコリと微笑んだ。



「え?俺の隣!?」



俺が思わず驚きの声をあげたその時には、彼方はもう俺の目の前に立っていた。




その事に今気づいた俺はハッとして、つい顔を赤めてしまった。



そして、俺を見つめる彼方から少し目線を逸らした。