あ、そうだ。
この機会に宇宙にキチンと挨拶しておかなきゃな…。








「あ、あの。自己紹介が遅くなったんだけど…。俺は、遠山遥。最近この寮に来たばかりなんだ。」









俺が自己紹介をすると、宇宙がうんと頷いた。









「早瀬先生から聞いてる。たしか俺の隣の部屋だよね?あ、ちなみに俺は…」









宇宙がそう言い掛けた瞬間、俺は言葉を重ねた。








「知ってるよ。晃月宇宙君でしょ?雑誌のモデルの。」








「…ふーん。俺のこと知ってるんだ。」








「うん。風間から話は聞いてるし、昨日教室で見たからさ。」








そりゃあ、宇宙のことで風間に散々じらされた上、カリスマモデル探しもしたもんな( ´_ゝ`)







「そうだったんだ。ならあまり自己紹介しなくても良さそうだね。」








宇宙はそう言うと、俺に突然手を差し伸べてきた。








「じゃあ、これからお隣同士仲良くやっていこうね。」








「え?」








まさかいきなりそんな事を言われるとは思わなかった。








「何?そんなに驚いて…ほら!早く握手。」








俺が目を丸くしていると、宇宙はもう一度俺の前に手をかざし、差し出す。








「俺、あまり寮にはいないけど。これからヨロシクねっ!」








「う、うん。これからよろしく。」








俺は、差し出してきた宇宙の手を握った。