「よかった?」







彼方の足がピタッと止まった。







彼方につられて、俺も足を止めた。







「よかったっていうか、そうじゃなきゃ都合が悪いんだよね。昔は昔だけど、今の僕にとってはあいつらはただ邪魔なだけ。そんだけだよ。」








そう言うと彼方は、再び歩き出した。







俺はそんな彼方に、返す言葉が見つからなかった。







俺は、彼方と双子達に過去に何があったかわからない。







だけど…。







『…だって。それにお前、あの時、国立の名門校の推薦受験に合格したって…。』







『あなたは変わってしまいました。…なぜですか?だって昔はそんなんじゃ…。』







『昔は昔だけど、今の僕にとってはあいつらはただ邪魔なだけ。そんだけだよ。』








まだ俺の知らない彼方がいる。








俺は何よりもその事が気になり脳裏によぎった。








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それから時は経ち、放課後となった。








さー、やっと学校が終わった。
昨日はあまり寝てないし、今日は早く帰って休もうっと(ヽ´ω`)







俺が教科書などを鞄にしまい、下校する準備をしようとすると、俺の前の席の彼方が鞄を持って席を立った。








「あれ?彼方。帰るの?」







俺が声をかけると、彼方は振り返り俺を見た。








「いや、まだ帰らないけど。これから練習試合があるからさ。」








「練習試合?」








俺は首を傾げた。