「…ぁ、じゃあ。未咲君、希沙羅君。またね…。」








俺は急いで双子たちにそう告げると彼方の後を追った。








「はい。遠山先輩。また…。」








俺の後ろで未咲の抜け殻のような小さな声が聞こえた。









***************








「あの野郎…。」








俺たちがいなくなると、未咲が怒りで体を震わせて呟いた。







「未咲、僕たちも教室に戻ろう?どんだけ怒っても考えても損なだけだよ。今はあの人のことは忘れよう?」







希沙羅は未咲より遥かに冷静だが、底知れぬ憎悪の想いがひしひしと伝わってくるような気がした。







「ああ。…でも俺、あいつのことマジで許せない…。絶対に…。」







未咲は『クソッ』と言葉を吐くと、拳で壁に怒りをぶつけた。








***************