その表情は邪悪という言葉がとても似合う…そう、いつものドS王子様の彼方だった。







「それはこっちのセリフだ!なんでこの学校にお前がいるんだよ!」







彼方のことを”お前”って…。
いったいどんな関係なんだろぉ〜。







「あはは。別に僕がどこの学校にいようが君には関係ないじゃない。」







「…だって。それにお前、あの時、国立の名門校の推薦受験に合格したって…。」







未咲が少し動揺するように呟いた。







すると彼方が未咲のすぐ横に並ぶ。







「ねぇ。そんなことよりも君たちがこの学校にいるってことは、”あいつ”が裏で糸を引いてるってこと?」







「は?なんの話だよ?それ。」







未咲がにらむ様に彼方を見上げた。







「ふーん。まぁいいや。」







彼方は未咲を見て、目を細めてニヤッとすると、”でも”と言葉を続けた。







「…未咲。一つ言わせてもらうけど、これから僕と会ったからってさっきみたいに大騒ぎしないでね。」







ニコッと笑う彼方に未咲は一喝する。







「はぁ?なんでそんな事お前にわざわざ忠告されなきゃいけないんだよ!」







怒る未咲に彼方は鼻でフッと笑うと”やれやれ”と首を横に振って呆れた。