「…あ、あの。未咲の弟の希沙羅と言います。今日は未咲の付き添いでその…着いてきました。」







希沙羅は、未咲の背中からソ~っと顔を出し恥ずかしそうに頭を下げるとまた未咲の背中に隠れた。








まるで正反対な双子だな。








今、改めて二人を見て思った。








未咲は元気でハキハキとしていて、いかにも行動派少年という感じがする。顔に擦り傷か何かのケガをしたのか貼られているハンドエイドが何ともその活発さを物語っている。







逆に希沙羅は、見ての通りおとなしくて、引っ込み思案。








しかし、そんな対照的な双子が俺に何の用が…?








俺がそんなことを考えていると、未咲が口開いた。







「実は…。俺…遠山先輩にどうしても謝りたくて…」







「え?謝りたくて…?」







え?この子、俺に何かしたのか?
っていうかそのそも会うの初めてだよな…(゚ Д゚ )








「はい…。その…、昨日の昼休みに先輩の頭にボールを当ててしまったのは、実は俺なんです。」








「え?」








え━━(゚ Д゚;)━━!!






ああ。そうか!
昨日の昼休みにサッカーをやってた…あの時の…。







「本当にすいませんでした!俺がもっと注意してれば…」







なるほど。俺の頭にボールを的中させた本人が直接謝りに来たってことか。
やっと状況が把握できたかも…。