俺は風間が指差す廊下を教室の入り口から首を出して見た。








そこにはまだ汚れもない新しい制服を身にまとう、いかにも後輩という感じの二人の男子生徒がいた。








その男子生徒を見たとき、俺はすぐにあることに気づいた。








二人の男子生徒は、背丈も顔もそっくり。一卵性の双子だということを…。








「じゃあ、未咲。あとは頼むわ。」








「はい、キャプテン。わざわざありがとうございました。」








俺から見て手前の方にいる男子生徒が、風間に向かい深くお辞儀をした。








風間は俺の肩にポンと手を乗せて、『じゃあなっ』と目でアイズを送りニッと笑い、教室の中へと入っていった。








風間がいなくなり、俺は事情がわからないまま双子の男子生徒たちの目の前に立った。








「あのっ!遠山先輩…!」








先ほど未咲(ミサキ)と呼ばれていた男子生徒が、真剣な顔を俺に向けた。








「俺、一年の澤原未咲と言います。」








未咲はそう自分の名を名乗ると、後ろにいる男子生徒に目線を送った。








「あ、ちなみにコイツは俺の弟の希沙羅(キサラ)です。」








そう紹介された途端、希沙羅というもう一人の男子生徒は、未咲の背中にヒョコッと隠れる。