「どこかに行くなら、一言声かけてよね?」








「だってしょうがないだろ?観奈も寝てたし。まさか僕もここまで長くかかるとは思ってなかったしね。」








そういや、そもそも俺と西川さんが部屋の外で騒いでたことに彼方が文句を言いに来てたんだっけ?








「それなら起こしてくれればよかったのにー。私もはるちゃんとたくさんお話ししたかったなー。」








「ヨダレたらして爆睡してたのによく言うよ。」








「え!やだ!嘘でしょ?!?」








彼方に言われて観奈はあわてて自分の口元に手を当てた。








部屋で観奈が寝ていたという西川さんの発言、ガチだったんですね。








「も〜!それなら、なおさら起こしてほしかったわよ!」







「ふふっ、嘘だよ。ヨダレは垂れてなかったけど、爆睡してたのはホントだよ。」








「ええ!嘘なの!?何よ、あせったじゃない!」








観奈が嘘をつかれたことに不満そうな顔に彼方が笑った。







「それにしても観奈。ほんとちょうどいい所に来たよね」








気のせいかな?彼方の笑顔がやたら不自然な気がする…。








「…え?何よ?ちょうどいいって…」








観奈が彼方の言葉の意味が理解できず不思議そうな顔をしたその瞬間。








俺の目の前で信じられないことが起こった。