「あ、あの〜。能無童貞とは、もしかして俺のことでしょうか?」








俺はわかりきっていたことだが、再確認したいあまり彼方に問う。








「そうだよ。今、思い付いた。我ながらいいネーミングでしょ?あ!じゃあこれから遥のこと、能無童貞って呼ばなきゃね★」







彼方はそれはそれはとても満足そうに笑ったが、俺はもちろん納得できるわけなかった。







だって、能無童貞だよ!?
絶っ対!そんなネーミングで呼ばれたくないよ!







「ま、待ってよ!俺、そんな呼び名嫌だよ!!それに、まるで西川さんとセットみたいじゃないか。」








貧乳処女と能無童貞って…あきらかに同類としか思えないんですけど!








「セット?あ、いいじゃん。セットっていうか、お前たち童貞処女の変わりもの同士だし、いっそのこと付き合ってみたらいいんじゃない?…ふふふ…あはははは。」








ガ━(゚Д゚;)━━ン!!!!!







か、完全に馬鹿にされてる!








「ひどい。ひどすぎる。俺のことだけでも結構ショックなのに、さらに西川さんとそんな風に言われるなんて、こんなのひどすぎるよ…」








俺は普通の男子なんだ。
西川さんと付き合うなんて…絶対ない!そうだろ?俺!
だから、西川さんと俺を一緒になんてしないで下さい(p_q)







かなりの精神的ショックでついには自画自賛し始めた俺であったが、そんな俺に彼方は肩を軽くポンと叩き、最高の笑顔を俺に見せて口開いた。








「あはは。君たち、と〜ってもお似合いだよ。遥☆」







ああ。
泣きたい…。思いっきり泣いてしまいたい!!








彼方の言葉に俺は今すぐ消え去りたい!と強く心で叫んだ。