「あ、遥。こいつのせいでうるさくしてしまったな。俺たちはもうそろそろ行くから…。ごめんな。」







「なんだよ。ヤマト!ひどいこと言うなぁ。まぁ、騒がしくしたのは認めるけど…。」








気を使ってくれたヤマト兄と大樹さんに俺は首を横にふった。








「え、あ、そんなことは…。」








するとヤマト兄が左手の親指を倒して、俺の部屋の壁を指した。







「ほら。それにお前の隣の部屋、彼方だろ?あいつ、たしかこの時間は勉強してるはずだし、うるさくしたらまずいさ。」








「え、そうなの?」








そ、そうだったんだ。
彼方が勉強を??
まぁ、確かに一応優等生だし、勉強するよな。








それにしても、ヤマト兄…。
彼方のそんなことまで知ってるんだ。
意外にヤマト兄と彼方の距離って俺が思っているより近いのかもな。








「あ、それと…。」







「え?」








俺はハッとして顔をあげた。








「西川さんとの件は、後日きちんと話を聞かせてもらうからな!」








ヤマト兄のギロリとした視線が俺に突き刺さった。








「は、はい…」








あ…そういや結局、誤解されたままだった(-_-;)







ああ、最悪だ(;ω;`)







「あと西川さんも、速やかに自分の部屋に帰ること。いいな?」








ヤマト兄は、俺に続いて西川さんもギロリとにらむ。








「は〜い☆わかりましたぁ。お二人も早く仲直りしてくださいね〜。」








今の自分の立場をまったく気にせず、未だ腐女子目線の西川さんを見て、俺はなんだか憂鬱になった。