…と、その瞬間。







「何何何!?何したんですか〜!!」








西川さんは、瞳をキラキラさせながら俺と大樹さんの間に入ってきた。








西川さん。
頼むから、二人のことを腐女子目線で見るのをやめてくれ…。







「いやぁ、二人でスーパーで買い物して俺の家に行ったまではよかったんだけどさぁ。そこで家の鍵がないことに気付いてさ…」








「え?家の鍵なくしちゃったんですか?」








「まぁね。っていうより、いつもお袋がいるから家の鍵をあまり使ったことがなくて。いつもは鞄の中に入ってるんだけど、今日はすぐに使うと思ってズボンのポケットにしまっておいたんだ。だからないって気付いた時、いつ落としたかわからなくて、とりあえずヤマトの部屋まで戻ってきたわけ。で、探したら…見事ありました!便所に!」







大樹さんは、ニッと笑った。







「でも見つかって良かったですね。」








…というか、とりあえず、ヤマト兄の部屋まで戻ってきて探してみるっていうのが、どれだけ大樹さんがヤマト兄の部屋に来ている事を物語っているな…。







「何が、見事ありました!だ。普通は家の鍵なんて大事なものを落としたことに気付かないなんてなかなかないぞ!俺だったら絶対ズボンのポケットなんかに入れない!」








「いや、どうせすぐ使うから大丈夫だと思ってさ〜。」







「いや、俺の言いたいのはもっと注意力を身につけろってことだ。お前は俺に何回言わせれば気が済むんだよ。はぁ…。」







ヤマト兄は、大きなため息をつくと、ふいに俺の方を向いた。