「ヤマト兄、どうしたの?こんな時間に…」







するとヤマト兄はニッコリ笑い、持っていたビニール袋から何かを探すように手を入れた。







「ほら、これ…」








やがて、何かを見つけたのか、ヤマト兄は俺に紙袋を渡してきた。








紙袋は少し重みがあり、ほのかに温かさも感じた。








「え?何、これ?」








俺が不思議そうに見上げるとヤマト兄が口開く。








「さっきコンビニで買ってきた肉まん。お前におすそわけだよ。」








「肉まん?え?もらっていいの?ありがとう」







俺が嬉しそうに笑うとなぜかヤマト兄が頬を赤めていた。








「ははは、喜んでくれてよかった。買ってきて正解だったな。」








ヤマト兄、差し入れをわざわざ持ってきてくれるなんて優しいな。








俺が肉まんの入った袋を抱えながら和んでいると、ヤマト兄が俺の部屋の奥を覗き込んだ。







「あれ?もしかして、他に誰かいるのか?」








俺はハッとして後ろを振り返った。







そうだ。
今、俺の部屋には西川さんがいるんだった。








「早瀬先生☆こんばんわ〜ですっ」








西川さんがヒョコッと顔を出すように俺の後ろから現れた。







「あれ!?西川さん…?」







ヤマト兄は西川さんの姿に驚くが、その後なぜか沈黙となった。








そしてしばらく間が過ぎると、突然ヤマト兄が俺をキッとにらみつけた。








「…は、遥!お前、だ、だめじゃないか。こ、こんな時間に女の子を部屋に入れちゃ…」








俺にそう怒りだしたヤマト兄だが、なぜか動揺するように身震いをしている。