「ふふふ。でもこれで遠山君は蘭藤荘の秘密を全体のおよそ3分の1ほど知ることになりました。」







「はぁ?3分の1!!??まだ3分の2も秘密があるのかよ!この寮は!!」







高笑う西川さんに俺は絶叫した。








「はい~☆それはそれは遠山君にはお勉強していただくことがまだまだありましてよ。」








「じょ、冗談じゃない!!もういい加減勘弁してくれよ!!」








この先、まだこの学生寮の秘密と俺の不幸は続く…のか?








そんなにまだ先があるなら、最初から何も知らなくてこの寮でやっていけなくなるほうのがましなんじゃないだろうか…?







俺をこれ以上この西川ワールドに引き込まないでくれ…トホホ。








「それでは、次のお話に行ってみましょうか~~☆さてさて、次はですね~…」








西川さんが次の話題を出そうとした、その時だった。







トントンッ








「遥~。いるか~?」








俺の部屋の扉がノックされたと同時に、聞き覚えのある声がした。








俺は声を聞いただけで、それが誰なのかがわかった。








「うん。いるよぉ。」








「じゃあ、開けるぞ」








「うん。」








俺がそう言うと、扉が開く。








「よっ!こんばんわ。突然悪いな。」








その声と共に、扉の隙間から黄色の髪がヒラリと舞った。








扉を開けて現れたのは、ヤマト兄だった。