「遠山君のバカ!」







西川さんは、プクッとほっぺをふくらました。







「もう!だから違うって!で、何?観奈がどうかしたの?」







俺がそう言うと西川さんのふくらんだほっぺがへこんだ。







「あぅ、そうでしたね。危うく自分を見失う所でした。まったく遠山君が変に誤解させるような顔をするからですわ!」







俺は悪くない。俺は悪くない。俺は絶対に悪くない。
と俺は心の中で唱えた。








「まぁ、観奈が遠山君のタイプだと言えど、ねらった所で腹黒王子のお墨付きなので無理なんですけどね。」








「お墨付き?」








俺は西川さんの言葉に首をかしげた。







「はい。遠山君もすでにお気づきだとは思いますが、腹黒王子って観奈をやたらと特別扱いしているんですよ」







彼方が、観奈を特別扱い?
ああ、前にそう思ったことがあったな。







「う、うん…。まぁ、たしかに。」








「それがなんでだろうって思いませんか?」







続くように西川さんが俺に質問してきた。







それがなぜか…
そういえば、なんでだろうな。
やっぱり幼馴染みだからかな?








「まぁ、彼方は俺たちには厳しいけど…観奈には優しいというか、なんか違うとは思った。それがなぜかはわからないけど…でもそれは幼馴染みだからじゃないの?」







俺が答えると、西川さんが首を横に振った。








「いいえ。幼馴染みにしてはおかしいんですよ。」







「え?」







幼馴染みにしては、おかしい?
それどういうことなんだ?