俺はすでにわかりきっていたが、後ろを振り返る。








「西川さん…。」








みなさんお分かりの通り、西川さんが、俺に背後から抱き着いてきたのだった。








「ボールが当たって保健室に運ばれたと聞きましたが、大丈夫ですか?西川、すごく心配したんですよぉ!」








西川さんは俺の背中から両腕を離すと、俺の体を満遍なくペタペタと触りだした。








「あ、あの…ボールが当たった所は俺の頭なんだけど…。」








「はっ!いけない!そうでしたね」








西川さんはいかにもわざとらしくエヘッと笑った。するとしばらく顔をしかめていた彼方が顔を上げて口開く。








「お前、貧乳処女!どこから湧いて出た!?」








そう彼方が叫ぶと西川さんがくるりと振り返り彼方を見た。








「あらぁ、腹黒王子様。湧いて出たのではありませんの。私は、ずっと保健室にいましてよ。」








「はぁ?」








おいおい(゚ Д゚;)
また得意の不法侵入ってやつかよ!?








「え、でもずっと保健室にいたって…いつからいたの?」








俺が西川さんにそう聞くと西川さんは俺のほうをむくと嬉しそうに笑った。








「6限目が終わってすぐですよ。もうそれは心配で、超特急で保健室に駆け込みましたぁ。」








「…そういえば、お前帰りのホームルームにいなかったな。」








なんだ。
西川さん、俺の事をそんなに心配してくれてたんだな…。
俺てっきり、また怪しいことたくらんで保健室にひそんでたのかと思ったよ。
少しだけ彼女のこと見直したかも。