「でしたら、藤岡理事長。今後、わたくしが臨時保健医として勤務いたしましょうか?」







藤岡と呼ばれた先生の後ろにいた黒髪の女性が口開いた。








ん?待てよ?
藤岡理事長だって?







ま、まさか!
この人が学校の理事長!?








「あ、そうか。その手があったね〜」








藤岡先生はポンと手をたたいた。
しかしその途端、すぐに藤岡先生は首を横に振りだした。








「あ、だめだめ!秘書の君がいなくなったら僕が困るでしょ〜。」







秘書?(; ´_ゝ`) 
てか、秘書っていっても…この女の人。
どう見ても看護師さんにしか見えないんですが…。







でもやっぱり、この人が…?







俺がそんなことを考えていると、彼方があきれたのかため息をついた。








会話が一段落ついたところで、藤岡先生の視線が俺に向けられた。








「あれ?そういや、君が遠山君かな?」







「え…あ、はい。そうです」








藤岡先生にそう問われ、俺はうなづいた。








「ボールが頭に当たったんだよね、それどの辺り?」








そう聞かれた俺は、ボールがあたった辺りに手をあてる。








「たぶん、この辺りです。」







「右の額ね。ちょっと見せてくれるかな?」







藤岡先生はそう言うと、ベットに寄り添い、俺の額を触り始める。
しばらくの間、額を観察するように触り、やがて藤岡先生の手はピタリと止まる。







「う〜ん。タンコブが出来てるだけみたいだね。他に具合が悪い症状ある?」








「え?あ、ないと思います。」








俺が答えると、藤岡先生が額から手を離す。