「うふふっ。彼の名前は晃月宇宙。人気フアッション雑誌『ACT』のカリスマモデルであり、北洋高校3年D組、出席番号6番。」






西川さんは、俺と風間のいる付近を回るように歩きだし、ペラペラと話し始めた。







「身長184cmの持ち前のスタイルと雰囲気から学校の女子からは、皇帝様と呼ばれている美男子であり…」







西川さんは、そう言い終えると足をピタリと止めた。







「そして、な〜んと!」







「西川!バカ!言うなって!!」







風間が西川さんにそう叫ぶが、風間の止めも虚しく、西川さんは大きく息を吸って口開いた。







「実は晃月宇宙は、我々の学生寮、蘭藤荘201号室の住人なのですッッ!」







え…。
あのカリスマモデルが、蘭藤荘の住人…だって…?







「ふふっ!遠山君、驚きまして?」







西川さんの背後に、それを本来俺に言うのが楽しみだったと思われる風間が悔しそうに嘆いている。







だが、俺はと言うと…。







「ふ〜ん。そうなんだ〜」







驚きもしなかったし、興味もなかった。







だって俺は、もっと衝撃な事実を昨日たくさん知ってしまったんだ。
カリスマモデルが実は同じ寮に住んでいることなんて、まだぬるいわ!







「なんだよ!遥。驚かないのかよ?」







俺の反応が意外だったのか、風間が俺に聞いてきた。







「う、うん。なんとなく想像ついてたし…。」







「ちぇ、なんだ〜。俺、せっかく遥を驚かそうと秘密にしておいたのに。つまんないなー」







風間が両手を頭に乗せて、また悔しがる。







そ、そう言われましても(ToT)