― -1年前 春- ―


「純哉ー、拓馬くんと優里ちゃん来てるわよ。」


「今行く。」


俺はまだ眠い目を擦りながら階段を下りる。


今日は高校の入学式。


「おはよう。」


推薦で受かった拓馬。


「純ちゃん起きろーっ!!!」


拓馬を追って受かった優里。


「起きてるっつの!!!」


そして優里を追って受かった俺。


「つーか、いい加減“純ちゃん”やめろよ。」


「いいじゃねぇか、“純ちゃん”♪」


「お前が言うな。」


「あはっ、やめなーい。」


「優里っ!!」