Double Persondlity

名田の部屋は六階の612号室で
エレベーターに乗り込んだ。



エレベーターを降りて
少し歩くと名田の部屋はあった。



思いつきで来てしまったけど
何をしていいか迷っていた
朱里は偶然にも隣の部屋から出て来た若い女性に声を掛けた。



「あの、すみません。この部屋の名田さんって分かりますか?」



「あぁ…ここの人、確か何かの先生してる人でしょ?最近居ないみたいよ。ずっと部屋暗いし…」



「そうですか」



「前に彼女らしい人が来たりしてたけど…あっもしかして、あなたが彼の彼女さん?」



「あ…いえ。違います」



隣の住人も
最近の名田は見ていないようだ。