チャーリーズエンゼルパイ




喫茶店に入った朝唐とチャリパイ(チャーリーズエンゼルパイの略称)の四人は、奥の六人掛けのテーブルに着いた。


朝唐は奥側の三つ並んだ椅子の真ん中に座り、その隣にシチロー、そしてテーブルを挟んだ反対側の三つの椅子には、真ん中が子豚、右にてぃーだ左にひろきという配置だ。


暫くして、注文していたアイスコーヒーが全員に行き渡ると、朝唐はストローをくわえて大きな音をたててコーヒーを吸い込んだ。



ズズーーーーーッ!



(ずいぶんと行儀の悪い飲み方だな……)



そう、シチロー達は思ったが、朝唐に気を遣って敢えて何も言わなかった。


「それで、悩み事というのはどんな事ですかな?」


顎髭を撫でながら質問する朝唐に、相談者役の子豚は神妙な表情で自分の悩みを熱く語り始めた。


「聞いて下さい!教祖!私ったら、最近全然ツイてなくて、本当に不幸のズンドコなんです!」



「ズンドコ?……」



朝唐の髭をさする手が止まった。


「コブちゃん……それを言うなら『不幸のどん底』でしょ……」


てぃーだが、さりげなく訂正する。


「そう!そのどん底なのよ!……宝くじは買っても当たらないし、イケメンとの出会いも無い。
体重だって3キロも増えるし……この間なんて、ラーメン屋さんでトンコツラーメン頼んだのに、味噌ラーメンが出てきたのよっ!」



(どんな悩みだよ……)