チャーリーズエンゼルパイ




「そこのお嬢さん。
悩みがあるのなら、私が訊いてあげようじゃないか!そんな事をしても、何の得にもならない!」


シチローよりも、言う事はかなりまともである。


だが、腕組みをして、四人の後ろに立っていたその男は、何とも異様な雰囲気を醸し出していた。



服装は、真っ黒なスーツに黒いYシャツ。おまけにサングラスといった黒ずくめの格好……唯一、ネクタイだけが赤色であった。


肩まで伸びた髪に、長い顎髭は、堅気の職業の人間とは趣を異にする。




「ちょっとコブちゃん……変なオジサンが、あんな事言ってるけど……」


「えっ?……誰よあの人?」


自殺する気満々だった子豚も、異様な姿の男の言動に、思わず自殺を中断してしまった。