「え~と、何の話からだったかな?」
「そもそも、探偵の仕事ってのは…からよ!」
「そうそう!探偵の仕事ってのは、鋭い洞察力と優れた推理力を必要とするとてもやりがいのある仕事でだね……」
男がそこまで言うと、またしてもひろきのケータイがリビングに大音量で響き渡る。
「また君か……せめて、バイブに切り替えてくれないかな?これからが大事な所だから」
「ごめんなさい……そうします……」
そう言って、小柄な体を更に小さくさせてケータイを操作するひろき。
それでも、メールの返信はしっかりとしていた。
「よろしい!では、話の続きを……例えば、探偵と言えばシャーロック・ホームズ、明智小五郎、そして金田一耕助という風に、小説や映画でも主役を張れるメジャーな存在であり……」
すると、またしても男のポケットからケータイの着信音が鳴り響く。
「アンタもマナーモードにしておきなさい!
まったくもう!」
「スミマセン……」
.



