白い壁に大きく描かれた鴉信教のシンボルマーク……そしてその前には、等身大よりも少し大きな教祖『朝唐将宙』の銅像。


全体的に黒、白、灰色のモノトーンでまとめられた“第九サティアン”の礼拝堂に、その朝は殆ど全ての信者達が集められていた。


彼らの前にはまるで見せしめのように、シチロー、てぃーだ、子豚、ひろきの四人がそれぞれ椅子にロープで縛られた形で一列に並べられていた。


この中に、かおりの姿は無い。やはり彼女はこの施設の中では、何か特別な待遇を受けているらしい。


「一体、何が始まるのかしら?」


「さぁね……少なくとも、楽しい事で無い事は確かだと思うよ……」


不安げな表情でお互いの顔を見合わすチャリパイの四人。


すると、ともなく整列した信者達が中央で真っ二つに割れ、その奥から教祖『朝唐将宙』が何人かの幹部を引き連れて悠々と登場して来た。


信者達から沸き起こる拍手。それに両手を挙げて応えると、朝唐は、シチロー達の顔をひとりひとり眺めながら、口角を上げて嫌みめいた笑い顔を見せた。