「え…誰?その鈴木杏って…」

動揺を隠せない敦也

ったく…鈴木杏を知らんとは…物を知らんにもほどがある。

(知ってる方がおかしいっつうの!)

しかしヤツの質問に答えるのは億劫だ。

第一…知らんヤツにこと細かく説明するのは面倒だし…

「お前じゃ話にならん!う〜んと…そうだな…祥なら解る筈。アイツを呼ぼう!」

思いたったら…

俺はポケットの中から小銭を取出し、一つだけポツンと光る公衆電話に歩み寄って行った。