カラー オブ ヘヴン



幼いころは、PCにインストールされていたカードゲームをするくらいだったけれど、今は何か違う発見が出来るかも知れない。


パスワード確認画面が現れる。


パスワードは、あたしの名前だったはずだ。


I、 O、 R



カランカラン



残るひと文字を入力しようとしたとき、店のドアを開けるベルの音が聞こえてきた。

客が来るにはまだ時間が早い。

一体誰が来たのだろうかと、あたしはPCのふたを閉じて父の部屋を後にした。

「よぉ」

仕事場に顔を覗かせたのは、太めのジーパンを腰で履き、少しくたびれたTシャツをだらしなく着込んだいかにもガラの悪そうな男。


トウジだ。


「なに、何かあった?場所代の支払いならまだでしょ」

あたしが言うと、トウジは茶色い短髪の頭を掻きながら、苦笑いにも似た笑顔を作った。

「お前に会いに来たんだよ」


トウジは、あたしの店の周辺を縄張りにしている龍上会のチンピラだ。
丁度あたしが店を出すことを許可された三年前から、ここらの『環境整備』を行っている。


つまり、あたしのボディーガード。


そして、あたしのはじめての男でもある。