それから一年が経った… 突然掛かってきた一本の電話。 取ったのはたまたま私だった。 『明日君を迎えに行く。君のお父上にはもう伝えてある』 ―あの時の約束だ。覚えているか? 忘れてはいない。いないけど…信じてもいいのかが疑問だった。 帰宅した父にすぐに尋ねた。 「父さんは知ってたんですか…?僕が、いえ私が、日本人の男とした“約束”がある、と」 「…勿論だ。そう仕向けたのは私だからな」