そっとブレザーを取ろうとしたら、手を握られて。




「聞かないんですか?どうしてこのような事態が起こったのか」


「でも、怪我の方がっ」


「ほんのかすり傷ですよ。このくらい避けられないなんて、ボディガード失格です」


「かすり傷どころじゃないです…あたしの…せいだ、し、」



相手はあたしのことを知っていた。もちろん、初対面のはずなのに。