鳴り響くチャイム。あたし、
英恵華凛(はなえかりん)はいつものように図書室へ向かった。



がり勉で本ばっか読んでるってわけじゃないけど、本を読むのは好き。毎日通うのが日課になってる



背中まで伸びた黒髪に赤い眼鏡

ノーメイク


周りの女の子は、化粧、アクセサリー、茶髪、香水の香り。


よく地味だって言われるけど別に何の不自由もないのでこのスタイルを変えるつもりはない。



“お洒落に関心がない”
英恵華凛は、正にそういう女子高生だった。







図書室に入ると、今日はまだ誰も来ていないようだった。



「一番乗りってとこね」



探していた本を見つけて、取ろうとした……そしたら、背後から腕が伸びる。



「あ、」



触れ合う、指先。


背後にいる腕主も、どうやら同じ本を手に取ったみたいだ。



振り返ると、身長180センチくらいの金髪の男が立っていた。

明らかに日本人じゃない…


こ、こんな人学校に居たっけ!?



整った顔立ちに、すらりと伸びる脚
世に言う「イケメン」とは、この人のようなことを言うのだろうか。




「あの、すいませ…」



「◎※☆◆#♪!」





…!?今この人…なんて言った?


確かに自分に聞こえる声で返答されたはず。


英語でも何語でも無い…?


何も言えずに呆然として立ち尽くすあたしに、次の瞬間ーー



有り得ないほど彼の顔が近くにあって



開いたままのあたしの口は塞がれていた。