「うわぁ!」 俺は思い切り体を起こした。いつの間にか、頬に冷や汗が伝っていた。 「またあの変な夢だ……」 透明な鏡の床 暗い闇 真っ白な空間 不思議な女の子 そして―― あの邪悪な声。 この銀髪で真っ直ぐと青い瞳をした彼の名前は 如月 零(キサラギ レイ 零はだるそうに重い体を起こし鍵を開け、窓を開けた。 鳥の囁く声が聴こえ、光りの差す青い空が零を迎えた。眠い目をこすり下にいた少年を覗く。 「おーい! 零! おはようさん!」 その少年の声に零は目を覚ます。 「大輝!」