「ビラ配り…」

「俺さ、バンドやってるんだけど、まだまだ新人でね、ここのライヴハウスの近くでライヴハウスから出てくるお客さんとかにビラを配ってるんだよ、ほらここ結構有名な人くるでしょ?」


「知らないけど。」


私が真顔で答えると男はニッコリ笑って
一枚のビラを渡して来た。

「あぁ、これさ、俺のバンドのビラね、興味無いと思うんだけどさ」

そう言って渡すとその男は配る時間だと言ってライヴハウスの方に消えて行った。