お互いの熱を交換した後の幸せな気だるさが全身を包んでる。
そんなわたしをギュッと抱き締める威千都は不意に上半身を起こして顔を覗き込んできた。
そのまま一瞬、掠めるようなキスをしたその表情はどことなく元気がない。
「ねぇ……後悔してない?」
「えっ?」
「愛衣ちゃんはセンセなのに、俺のこと受け入れちゃって」
「するかもね。後悔」
わたしの言葉に憂い顔になった威千都の頬に手を伸ばす。
そこに手を重ねた威千都は、不安そうな瞳でじっとこちらを見つめていた。
「威千都を拒んだまま後悔するなら、こうやって気持ちを伝えて受け入れて後悔する方が良いから」
だから、幸せ。
素直な気持ちを伝えたら威千都は、
「……早く大人になりたいな」
薄く笑って小さく呟いた。

