エージェント





楽太郎ならわかるかなと思ったけど、二人の兄弟間はわりと闇が深そう。

遠く離れていたとはいえ妹に甘い我が兄とは大違いだ。



「なーに、ラクに聞いてんだよ」

「サク!?」
「朔羅っ、ちょっ!」

「二人とも話し込んでて俺が入ってきたの気づかないって思ったら、なに?俺の話してんだもん」

「サク怒ってるの!?え、怒ること!?それよりコウキちゃん離してあげて!!」


後ろからキツく羽交い締めされ、身動き取れないをたしと、朔羅が出てきたことで慌てる楽太郎。



「俺のことなら、俺に聞けばいいのに」

「いや、だってサク、答える気ないでしょ…」

「あるある。兄貴のこと?あんまり喋んないね。親からのプレッシャーガンガンな兄貴は自由な育てられた俺を恨んでるんじゃない?睨まれたことあったし。怖くなかったけど」