エージェント





朔羅と宝さんに、何かあるのか。

正直、宝さんから聞きだすには時間をかけなければならない。



だから知ってそうな人に聞いてみよう。




「え、サクのこと?」



一番話してくれそうなのは、楽太郎だ。

生徒会室に二人きりになった時に聞いてみた。


「うん。だって朔羅って次男って事は、お兄さんがいるんだよね?」

「そうだよ、宝さんっていって、俺らより10歳年上なんだけど、あんまり二人でいるのは見たことないよ」

「へぇ、そうなんだ」

「宝さんは小さい時から組に付きっ切りだったしね。サクは逆に全く組にはあんまり関わってなかったし。じゃなかったら、俺怖くて、サクと遊べないよ!」

「そんなに怖いの?」

「だって、怖くない!?」


たしかに組の人間は怖いが、わたしの育った環境も如何なものなので、怖くはないな。