帰り際、宝さんはママと話してて、ママが驚いたようにわたしの顔を見た。
え、なんなの。
宝さんが帰った後は、また別の方のヘルプに入ったりで、今日の仕事は終わる。
ママに呼び出され、2人きりになった。
「ふぅ、」
ママは足を組み、タバコを吸う。
「宝さんが、あなたの事を気に入ったらしいわ」
「…はい」
「やってくれたわね」
「…………」
やっぱり何か行けなかったのだろうか。
でもお客様に気に入られるって悪いことではないはず。
「あの子が本城組っていうここらでは大きい組の若頭って知ってる?」
「本人も言われてました…」
「そう…」
ママは吸っていたタバコを消し、何かを考え込んでしまい、黙ってた。
そして、何かを思いついたかのように、顔を上げた。



