エージェント




「ううん、言わないから、心配しないで」


そう言って逆にわたしを抱きしめてくる。



女慣れしてないわけではなさそうだけれど、たぶん朔羅と比べてしまうんだろう。



「君がこの部屋に入ってきた瞬間から、君に目を奪われたよ。これは一目惚れというのかな。女性にときめいたのは久しぶりすぎた」

「あっ…」


そう言いながら、彼はわたしのウエスト周りを撫でてくる。

かなりくすぐったい。



「誰かに見られちゃいますよ…」

「君もわかってるだろう?ここは外からは見られないのを」


すこしまだタドタドしさはあるけれど、さっきよりも落ち着いてきている。


流石に演技してるとはいえ、実年齢ではわたしよりも8歳も年上なだけあって、大人の雰囲気は持っているようだ。