エージェント




ママと彼はかなり親しげだ。

それもそのはずで、ここtoxicは本城組と裏で繋がっている。

悪い方に繋がっているわけではなさそうだけど、本城宝が気軽に来れるってことは、何かしらの縁があるはずだ。



「…仕方ないですね、宝さんの頼みですから」

「さすが、ママ」


ママの本城宝への態度は逆らえない、というよりもどちらかというと、世話焼きという感じに思える。



「セノさん、終わったら声かけてね」


ーーその言葉の意味は、なんだ。



はい、と口では言うけれど、この人達の考えを読み取らなきゃいけない。



ママが部屋から出て行くと、本城宝は少しだけわたしとの距離を開けた。

なぜだ。



しかもさっきまでとはまた違う。

なぜか、ソワソワしてる。