銀よりも二つ上で28歳の本城宝。
流石に敵対する組の若頭のことは情報として得ていたから、彼の表立った情報は知ってる。
わたしみたいに組からも極秘として育てられたのとは違い、朔羅自身は隠されてはいないものの、組のことに関してあまりにも関わらなさすぎてると流石に知り得ないこともあったけれど、彼は違う。
本城宝は組長からも信頼され、跡取りとして期待されている人間。
朔羅みたいに人をもて遊べるような甘いマスクな美形イケメンではないけれど、彼はどことなく少し印象は薄いけれど人付き合いの良さそうで、タレ目で微笑む姿は好印象がある。
この人が本当に若頭なのか、疑問にも思うくらいだ。
「ねぇ、ママ。この子と2人っきりになりたいんだけど」
「あら、もう手を出しちゃうの？」
「そうじゃないですって…」
