夜の街はとくに裏の情報が溢れかえっている。



とくにtoxicみたいな高級クラブの御用達はそれこそ大物政治家とかもいるくらいだ。

そしてなぜここを銀が選んだのかというと、このtoxicは実はある人物が通ってるって噂があるからだ。



「セノさん、」

「どうされました、ママ?」

「今日、来るから。挨拶してもらうから準備しててね」

「…わかりました」



今日、そのお目当が来るらしい。


流石に指名はすぐもらえないと思うから、今日ママが挨拶してくれるタイミングでどれだけわたしをアピールできるのかに掛かっている。



その時まで、まだまだ新人なわたしは、先輩ホステスのヘルプに入って時間をつなぐ。



政治家の話題とか、汚職とか、そういうものには興味がない。