エージェント




「コウキちゃん、こっちにきて」


彼は自分が座っている隣をポンポンと叩く。


「え…」

「何もしないから」

「いや、怪しいでしょう…」

「んー。じゃあ、今から俺の家にでも行く?」

「座らさせてもらいますっ!」



さすがに今の今で、本城の家には行けるものか!

彼はきっと組みのお家に行くことを怖がってると思ってるかも知れないけれど、わたしにはただ本物の敵陣に乗り込むタイミングじゃないから遠慮させていただくわけである。



「いいこ」

「ーーわっ!?」


わたしが座ろうとベッドに近づくと、それを見計らったかのように腰を引き、体を持ち上げられ、体を回転させてベッドに押し倒す。


思わずびっくりして、ベッドにつく直前受け身をとってしまった。