エージェント




狙われても返り討ちにするくらいの実力はある。

いくら男相手と言っても、これでも本職の人間、簡単に負けるようなヘマはしない。


しかしいまはただの女子高生。

変に喧嘩もできない。



「俺は反対だけどな。そんな面倒なことしてられっかよ」

「じゃあサクラに言いなよ。サクラが言い出したんだからあたしらじゃ何も決められないでしょ」

「そうだよ、アズ…」

「チッ、」


この4人の力関係も、本城朔羅がトップってわけだ。



「ねぇ、うるさくて目が覚めたんだけど」


モゾモゾと頭から被っていた布団を剥がし、顔をこちらに向けてくるさっきまで寝ていた男。

誰のせいでうるさくなってると思ってるのよ。


「んー!スッキリ寝た」


ベッドに腰掛け、背伸びをする。


イケメンだとここまで絵になるものか…。