エージェント




「アンタ達、何やってるのよ」



諦めかけた時、入口の方から声がかかる。


この学校で、聞き覚えのある声。



「十和さん…」

「別にその子に興味はないんだけど、その子に何かあるとあたしまで迷惑かかるから」

「待ってくださいっ…!」


戸田十和はそれだけを言いにきたのか、そのままトイレを出て行く。


彼女達が唖然としているので、今のうちに逃げよう。


さすがに追ってくる気配もないので、いとも簡単にトイレを出ることができた。



「あ…」


トイレを出ると、壁にもたれ掛かってる戸田十和。

彼女はわたしを見るなり、顎で指図してきた。


付いて来いということか。


なんとなく察したので、仕方なく彼女の後ろをついて行く。

たぶん行く場所は、生徒会室。