エージェント






初めて、名前を呼んでくれた。

わたしの、本当の名前。




「朔羅っ…」

「きっつ、そんなに嬉しい」

「んっ…もっと、呼んでっ…」

「光希、ミツキっ…、ミツっ…」



ーーーああ、大好きだ。




わたしの中に入ってる朔羅を感じ、それを締め付ける。

中に溢れてくるものを繋ぎとめ、朔羅に抱きつく。



「出来ても知らねぇからな…」

「いいもんっ…。朔羅との子供なら、何人だって…」

「お前なぁ…」

「だってこれからは、ずっと一緒だからっ…」

「逆プロポーズかよ…」



朔羅となら。

ううん、朔羅と、家族を作りたい。




普通の家庭っていうのは家柄上難しいこともあるけれど、それでも朔羅となら、幸せな家族が作れると思う。