エージェント






昔と変わらず強引な朔羅は、主屋の前に停まっていた車に乗り込むと、運転手に目的地を伝える。



この車は本城のもの…、じゃなくて!



「どこに行くのよ!?」

「二人きりになれる場所」

「未散は!?」

「さっき組長さん言ってただろ。今夜預かるって」

「だからって…」

「離さないから」

「っ……」


ずるい。


朔羅に言われたら抵抗なんて、わたしができるわけないじゃない。




車を走らせて向かったのは、西で大きなホテル。


もうすでにチェックインされてあり、エレベーターの方へすぐに向かう。
最上階に着き、朔羅はカードキーを取り出すと、中へと入っていく。



スイートルーム。

かなり広くて、今まで使ったことある部屋の中で一番ハイグレード。