「ママぁ〜」
ペタペタとわたしの元へ歩いてくる我が子。
一歳半も過ぎれば、歩くこともできるようになり、言葉もママやジジババ、ギンとセーヤまで覚えた。
物覚えが早いらしい。
そんな我が可愛い娘、未散
顔は残念ながらわたしに似てはおらず、将来は美人さんになることが決まったようだ。
嬉しいような、悲しいような。
「未散、お散歩行こっか」
未散を抱きかかえ、そういうと、笑顔になった。
お散歩と言っても、ベビーカーに乗って遠くまで言うことはない。
赤羽家の人間として、常に外に出ると危険があるから、未散と二人きりでは外出するなと組長からのお達しだ。
外へ出るときはセーヤが付きそうけれど、今日は珍しく客人を迎えに行くと出かけていった。