エージェント






「っ……」

「宮前のところの星矢に聞いた。年明けた頃には知ってたんやろ」

「……はいっ…」

「なぜ言わんかったんや」

「……それは、」

「お前が裏切り者となるからか?」

「あの、」

「光希」

「…はい」

「堕ろせ」





ーーーやっぱり、そうなるのか。


現実はそんなに簡単にはうまいこといかない。





気づいたのは年明ける前。

月のものが来なくなっておかしいと疑いはじめたのがキッカケ。

年明けると、自分の体調も悪くなって来たことに気づき、隠れて病院にも行った。

理由は予想通り。

その時貰ったエコー写真は、体調悪くて心配するセーヤにも見せた。

あいつは一瞬でわかったし、それ以降その話をすることはなかった。

妹尾が人質となり、東へ乗り込んだからだ。