エージェント






張り詰めていた空気が一気に変わる。


さすがにこれ以上いると、本城にも、銀にも何かをされそうだ。



外へ出ると赤羽組が通る道を本城の組員が囲っていた。
表情は私たちを敵としか見なしていない。

これが正解。
これが赤羽と本城の元の姿。






「ーーーーー待て」




赤羽の車に乗り込もうとした腕を掴まれる。

その声で、誰かすぐにわかった。


わからないはずがなかった。





「それがお前の"本当の姿"なら、お前の"本当の気持ち"はなんだ」

「…………」

「あの言葉は嘘なのか?」

「…………」

「どうなんだよっ!」

「っ……」


掴まれる腕が、強くなる。

彼の怒り、悲しみ、困惑、全てが言葉のひとつひとつに含まれている。