エージェント







膝折れし、地面に倒れこむ本城麗子。
明らかに力が入ってないから、彼女を掴んでいる手を緩める。



「ミツ、終わりや。それだけその女を苦しめたなら、もうお前が手出しするようなこっちゃない」

「………」

「その女をやったって、母さんが元に戻るわけやないんやからな」

「……ふん」



胸ポケットに銃を直し、別のポケットから取り出したナイフで本城麗子の拘束を解く。




「言っとくが、わたしはあんた達を許しはしない。たとえ母さんが復讐を望まなくとも」




所詮、わたしの私情。

そしてここは、わたしがいるべき土地ではない。




「あんたの女なら、今後、赤羽光希に手を下されないように見張っておけ」




わたしはきっと、これ以上は、動かないから。