結局誰も、"赤羽光希"の存在にたどり着けない。
それほどまでガードされ尽くした情報網。
「すぐにわかるんじゃねぇの?」
「わかんねぇから聞いたんだろ」
光希を知る妹尾から見れば、すぐに見つけやすい存在。
でも全く知らない人間から見れば、どこを探しても見つけられない存在。
そもそも“彼女”がその名を外で口に出したことないから出回らないのも無理はない。
静かなこの空間に、大きな爆発音と、スマホの鳴る音が響く。
「そろそろとは思ったが、派手すぎだろ」
「……ああ、お前の仲間が来たみたいだな」
朔羅は妹尾の拘束を一部解く。
妹尾は立たされて、部屋を出る。
「俺を連れてこいって?」
「だってさ」



