1月末、その日はやってきた。
「どうせバレるから俺から言うとく。明日の夜、本城を攻める。俺は最前線に行く」
「銀が?」
「親父はここに残る。宮前はど真ん中で待機。お前はあくまでも、ここや」
「…………」
「妹尾は俺に任せとき」
「…………」
結局わたしの謹慎は解かれることはなく、組長も銀も、こここら離れるなと言い続ける。
わかってる。
これは命のかかった事である事も、わたしの感情だけで動いちゃいけないことも。
「大きな抗争だけは避けてね…」
「えらい弱気やな」
「うん…」
「大丈夫や。抗争起きて人が苦しむんは俺も嫌や。
あっちはどうかわからへんけどな」
赤羽がどうあれ、本城が抗争を起こす気でいるのはわかった。
これは、そのキッカケだ。